2011年7月28日木曜日

ストップ・ザ・ニセモノ天国

◇ついに、中国(雲南省)で、米アップルが全世界で展開する直営店「アップルストア」の偽店舗が登場した。実際にアップルの直営店は中国内に数店舗が実存するようであるが今回、確認された3店舗はいずれも、それに該当しない店舗であるという。本物のアップル店と比較すると、リンゴのロゴマークは出されているものの、壁のペンキの塗り方が少し雑であったり、一部の店名に誤植があったりと、よくよく観察すると偽店舗と分かるとのことであるが、偽店舗としての完成度はかなり高く、本物のアップルに勤めていると思い込んでいる店員もいたとの情報も流れているほどである。また、真相は不明であるが取り扱っていた商品は、全てホンモノのアップル製品であったという、如何にも間の抜けた話。

◇既に中国の”ニセモノ天国”ぶりは、止まるところを知らない状態になっているのはご存知の通りである。つい最近でも、中国で8月から放送予定の高速鉄道(中国版新幹線)を主役としたテレビアニメ「高鉄?」が、日本のアニメ「超特急ヒカリアン」に酷似しているとして、中国でも盗用を疑う声が広がっている。

◇さらに、最近ではあまり目立たない製品の付属品や消耗品のニセモノまでもが流通しているという。特に多いのは電化製品のバッテリーパックやケーブル類、その他の消耗品類である。これらのニセモノが厄介なのは、製品としてそれなりに機能してしまう点であろうか。その為に、ニセモノと気がつかないで使っている人は多いのであるが、いずれ発火や故障する恐れもあり、黙認できるシロモノではない。実際に発火して死傷したという事故が起きているのである。

◇よく、メーカー企業の模倣品(ニセモノ)対策は、「モグラ叩きゲーム」の様に例えられるが、あきらめずに何度も対策を講じることが大切であり、放置する事は非常に危険な行為である。小さな芽のうちに摘んでおかないとモグラは、いずれモンスター化し、太刀打ち出来ない状態になってしまう。

◇当たり前の話であるが、模倣品は、何よりも買う人がいるから作って売る行為が後を絶たないのである。我々、一人一人が出来る事として、ニセモノには見向きもしないという強い気持ちを持つ事と、ニセモノを見分ける知識・能力を備える事が大切であり、それらが撲滅に向けての礎になるのである。経済産業省では中国国内のECサイトで販売されている日本製品の模倣品率を研究するなどの動きを見せている。知財大国を謳っている日本の国民としても真摯に対峙しなければならない問題である。(山本)

2011年7月21日木曜日

ブランドへの意識

◇消費者庁が4月に採用した本庁のシンボルマークが、世界各国の図書館などが参加する書誌データベース「WorldCat(ワールドキャット)」のマークと酷似している。今月6日、WorldCatを提供しているOnline Computer Library Center, Inc. (OCLC)から「商標登録したロゴと類似しているので、使用をやめてほしい」と指摘されたという。

消費者庁: http://www.caa.go.jp/soshiki/index_caa.html

WorldCat: http://www.worldcat.org/

◇消費者庁では昨年11月にマークを公募し、109作品の中からグラフィックデザイナーの作品を選んだ。今回の件を知ってかデザイナー自身が発信するSNSサイトでは「困惑。恐ろしいほど偶然のいたずらです。」とコメントを残している。

◇電話取材に応じた消費者庁担当者によると、マーク選定にあたり特許庁にも相談したが、類似する商標は確認できなかった。今後は作者と協議し早急に修正作業に着手したい。マークの修正が完了次第に公表するとしている。

◇今回のマーク選定に掛かった費用は、総額60万円とのこと。 既存印刷物などの差し替えは予定していないというが、今後の修正作業にもいくらかの費用は発生するであろう。

◇WorldCatの図形商標(マーク)が登録されたのは2004年9月。この商標の出願~登録状況は、特許庁のデータベース(IPDL)で検索することが可能である。

http://www.d-quest.co.jp/pdf/info_4800133.pdf?blog=ipr

◇多くの企業が、他社の商品・サービスと区別するために社章や商品・サービスに使用するロゴやマークをデザインする。そして、自社オリジナルのマークとして使用を専有、類似範囲で他者を排除するため特許庁に商標出願し、同一・類似の商標の登録がない場合は登録が認められる。

今回のケースも事前に図形商標の登録状況が確認できていれば防げた事案ではないだろか。消費者庁側では「特許庁に相談した」と言っていることから、特許庁において類似商標の確認作業が行われたと推測される。担当者の作業に抜けがあったのだろうか。だとしたら、けしからんっ!

◇・・・とも言い切れない。何せ特許庁には図形商標が約50万件、商標全体では約200万件が登録されているのだから。今回のマークを例に、類似する商標登録がされていないかどうかを確認する場合でも、数万件の登録商標と見比べる必要があるなど、時間と労力とスキルが必要となる大変な作業なのである。

◇一般企業におけるブランド(商標)戦略は大変重要である。企業の将来を託した新製品やサービス。プロモーションのための販促グッズや広告宣伝にも多くの費用と労力が使われる。認知向上、品質保証を意識付けする商標の選定には神経質にならざるを得ない。

◇新しい商品・サービスがマークと供に世に定着した後になって、そのマークの使用ができなくなったら・・・ブランドに対する意識を持つ必要がある。(進藤)